インタビュー

「いずれ世界を変える」壮大なプロジェクト。その最初の価値を創造するパートナーとして

ソニックガーデンは、milab株式会社(以下、milab)が展開する、防災備蓄管理システム「BxLink®(ビーリンク)」の開発を担当しました。

日本中で頻発する災害。その度に防災備蓄の重要性について議論がなされてきましたが、いまだその管理体制や備蓄規模については、全国各自治体や企業でばらばらのままです。この標準化と効率化を目指すべくたちあがった「BxLink®」は、その熱い構想を、ソニックガーデンのエンジニアとデザイナーが協力してひもとくところから始まりました。

まだ見ぬ世界を創造していくためには、単なる発注者と受注者という関係では歩いていけません。milab様とソニックガーデンの、ともに考え、議論し、アイデアを出し合う対等な関係について、そして「BxLink®」の先にある「世界を変える」壮大なプロジェクトについて、お話を伺いました。

インタビューに参加された皆さん

milab株式会社 代表取締役社長 大学院修了後、日本IBMにシステムエンジニアとして入社。アウトソーシング部門の技術チームリードとして運用システムを開発後、IBMビジネスコンサルティングサービス(現IBMコンサルティング)へ戦略コンサルタントに転身。 その後、GCA(現フーリハン・ローキー)でM&A、新規事業創出に関する戦略コンサルティングに従事したあと、2021年2月ベル・ホールディングスに入社。防災事業の戦略策定から営業・プロダクト開発まで幅広く手掛ける。 2024年1月より現職。
milab株式会社 テックリード/防災士 大学卒業後、プログラマー、チームリーダーとして製造・流通業のシステム開発や運用保守に20年以上従事。その後、受託開発から自社プロダクト開発へ挑戦するためにベル・データへ参画。ベル・データでは新規事業である防災事業の開発チームリーダーとして防災備蓄管理システムのBxLinkバージョン1をリリース。 2024年1月よりmilabの創業メンバーとしてBxLinkのサービス企画から設計・開発、ユーザーサポートまで幅広く活動中。
株式会社Design&Research 代表取締役社長 / UXデザイナー デザインとリサーチの力で、事業会社の意思決定と成長の貢献するデザイン会社の代表取締役社長、UXデザイナー。SaaS事業を中心に様々な業界のプロダクトの立ち上げやエンハンスに関わっている。
milab株式会社 代表取締役社長 大学院修了後、日本IBMにシステムエンジニアとして入社。アウトソーシング部門の技術チームリードとして運用システムを開発後、IBMビジネスコンサルティングサービス(現IBMコンサルティング)へ戦略コンサルタントに転身。 その後、GCA(現フーリハン・ローキー)でM&A、新規事業創出に関する戦略コンサルティングに従事したあと、2021年2月ベル・ホールディングスに入社。防災事業の戦略策定から営業・プロダクト開発まで幅広く手掛ける。 2024年1月より現職。

世界を変えるインフラをつくる

今回、ソニックガーデンは御社の防災備蓄管理システム「BxLink®」の開発をお手伝いさせていただいています。このサービスの概要を教えていただけますでしょうか。
狩野の顔狩野
防災備蓄品の在庫管理と消費期限を管理するシステムです。

大体の備蓄品は長期保存できるものばかりですが、それでも永久には保存できません。5年、7年、10年あたりがポピュラーな期限ですが、それだけ長いと何をどのくらい買ったのか、どこに置いたかもわからなくなってしまって管理しきれないんです。じゃあ、Excelを使ってちゃんと管理するとして、次に出てくる問題は管理者の部署移動です。

例えば、防災備蓄品を大量購入するのは自治体さんが多いんですが、自治体は人事ローテーションが早く、2〜3年で人が入れ替わってしまいます。そうすると、見たこともないような物の管理を、一度も触らずに次の人に引き継がなきゃならない、なんてことになる可能性も高い。人ではなく、システムが一元管理する必要がある、そう考えて企画したものが「BxLink」です。

狩野の顔狩野
備蓄品といっても食事、トイレはもちろん、最近は簡易ベッドやパーティションなども必須です。ほかにも、チェーンソーや土嚢といった土木関係の道具や、救助用の担架など災害対策室を運用するための道具も備蓄品に含まれます。
非常に種類が多い。そこも管理の対象になると。
狩野の顔狩野
種類が本当に無限なので、ちゃんとカテゴライズしなきゃいけない。それを考えたらエクセルどころかマクロが必要で、そんなものますます引き継げる人が少なくなります。全てを丸ごと引き受けるシステムが必要なんです。そして我々は、この「BxLink」という在庫管理システムを足がかりに、もっと大きなテーマに挑みたいと考えています。

なるほど、単なる管理システムでは終わらないということですね。構想の全容についてお聞きしても?
狩野の顔狩野
防災備蓄は自治体によって、企業によってかなり偏りがあります。我々はこの、「日本中の防災備蓄を最適化すること」をミッションと考えています。「BxLink」を使って日本中の備蓄品の数と消費期限を把握できれば、消費期限が切れる前に余剰分を寄付に回すことができる。そうするとフードロスが劇的に減ります。正しく在庫を回したおかげで浮いたお金で、次の備蓄品を買う。まずこのサイクルを作りたい。

各所にある備蓄品の消費期限がわかっていれば、次の大量購入の時期もわかります。そこで、100の自治体、100の企業が一斉に同じものを共同購入する仕組みができたら、メーカーにも良い影響をもたらすことができます。

消費期限ごとのサイクルをつくって、工場の稼働率を平準化させればより効率的に生産、流通させられる世の中になる。このように、物の流れるルートを、防災備蓄を介して全て、大きく繋げていきたい、これがmilabの構想のひとつです。
つまり、インフラを作るプロジェクトということなんですね。
狩野の顔狩野
そうです。弊社、もともとはITシステムのインフラをやっていましたので、そんな「下支え」が性に合ってるのかもしれません。今、このような構想を持っている競合はいません。第一人者として切り開いていきたいなと思っています。

わからないものをつくりたい。その要望に議論をもって応えてくれた

どういった経緯で、ソニックガーデンの「納品のない受託開発」に辿り着いたんでしょうか。
狩野の顔狩野
実は、ソニックガーデンさんと出会う前に、一度サービスをリリースしているんです。我々はIT企業ですが、この領域でのエンジニアはあまり抱えておらず、ほぼSESで作ったサービスでした。外注エンジニアも入れ替わり立ち替わりという感じで、リリースしたバージョン1は、正直、納得いくものにはならなかったんです。

これ以上これを発展させていくのはしんどい、一から作り直そうと思ったわけですが、これまでと同じ作り方をしたら、また同じようなものができるだけです。だから開発の方法から抜本的に変えなければならない、ちゃんとパートナーとして一緒にやってくれるような人たちを探そうとしていたときに、ソニックガーデンさんのウェブサイトを見つけました。

『納品のない受託開発』というキーワードがもう素晴らしかったんですが、まずはこちらが求めることを洗いざらいお話しして、それに思いを返してもらえるなら先に進めるだろうと、お問い合わせフォームに長文を書いて送りました。
ありがとうございます。問い合わせへの返答とその後のご相談が御社にフィットしたからここまで発展したと考えていいでしょうか。
狩野の顔狩野
はい。基本的にITにおける契約関係は、クライアントである我々が全部考えて、「こう作ってください」と発注します。システム開発会社は「はいやりましょう。でも自分たちがコミットできるところはここまでです」というようなやりとりになりますよね。

でもソニックガーデンさんは言われたことだけやるわけではなく、課題を相談すればどんどんアイデアを出してくれて、本当の意味での共同作業で開発に取り組んでくれます。

こちらが仕様を決められないような段階から相談して、議論して、システムに落とし込んでいくプロセスを、話し合いながらやらせてもらえているのは、非常にありがたいと思っています。

3ヶ月でプロトタイプを開発するスピード感

『納品のない受託開発』では、お問い合わせ後にすぐ開発に入るというわけではありません。打ち合わせを重ねて、本当に一緒にやっていくことがベストかどうか検討する期間があるんですが、デザイナーの古里さんはもうこの段階で参加されてたんですよね?

古里の顔古里
そうです。最初から構想を資料にしていただいてたので、そこからサービスブループリント(※あるサービス提供のプロセスにおける、ユーザー体験・サービス提供者双方の動きを時系列で表したもの)を起こしました。その後、野上さん(ソニックガーデンの担当エンジニア)にデータ設計をしてもらうところまでが無料相談の範囲でした。
狩野の顔狩野
無料相談の段階でここまで積極的に議論してもらえるとは思っていませんでした。この段階でもう他を探すのはやめよう、ソニックガーデンさんに決めようと思いましたね。
晴れてプロジェクトが本格的にスタートするわけですが、ソニックガーデンの『納品ないの受託開発』は、一般的な受託開発のように、仕様を決めて、スケジュールを決めて、納品。というプロセスは踏みません。その辺りを体験してみていかがでしたか?
狩野の顔狩野
私はバージョン1の開発にも携わっていたのですが、先に仕様を決定しておかなければならないようないわゆる従来型のやり方だったんです。仕様だけ握って、できるできないが後から発覚してパフォーマンスがどんどん下がっていくという結果になり、従来型の開発は、自社プロダクトを成長させていくビジネスには向いていないと痛感しました。

一方でソニックガーデンさんとのプロジェクトは、都度相談しながら固めていくやり方なので、非常にスムーズです。プロトタイプが3ヶ月くらいでできて、そこから営業活動などをしていきました。最初からデザイナーがついて、デザインも並行して決めてくれていたので、体感スピードがものすごく早いと感じました。
無料相談の段階でサービスブループリントを起こしたということでしたが、実際に開発に入ってから、デザイナーとしてどのような関わり方になったんですか?
古里の顔古里
メインの機能は備蓄品の管理ですが、ゆくゆくはもっと機能を広げる構想があるんです。多くは自治体向けの機能になるので、導入にはちょっと時間がかかります。なので、先にデモだけ作ったり、サイトをしつらえたり、いくつか並行して走っている企画のためのデザイン活動もしていました。
行政はどうしても承認などで時間がかかりますから、先回りして動くということですね。

細部のデザインまで整えて見せる柔軟な対応力

現在プロジェクト推進中で、おそらく今後も長く伴走することになると思いますが、パートナーとしてはマッチしていますか?
狩野の顔狩野
はい、それはもう。こんな変化が多く、アグレッシブな我々に対して柔軟に伴走していただけるような会社はないですね。本当に助かっています。

冨田の顔冨田
その柔軟さやスピード感にはいつも驚かされます。こちらが急に「このデモやりたいから、これ作って」なんて言い出しても、さっくり作ってくださるので。従来型の開発だと基本の姿勢「これを決めないとできません」ですから。

それがこんなしっかりとしたチームで、デザイナーさんが全体をきっちり統一してくださって。気持ちがいいです。
デザインの一貫性というのは、実は大切な要素ですね。
冨田の顔冨田
スピード感を重視して、とにかく動けばいい、になってしまうと、デザインのほころびがどうしても大きくなります。防災備蓄ですから、それほど頻繁にユーザーが触るシステムではありません。それでもやっぱりあまりにあちこちテイストが違うと「うわっ」と思ってしまいますよね。

ソニックガーデンさんとの開発では、最初からデザイナーさんがいてくださって、綺麗に整っているものをさっと出してくださる。ストレスがないなと。
古里の顔古里
最初から仕様が決まっていると、体験を良くする余地がありません。目指す場所のアウトラインは何となく見えているけど、明確に決まってない、これからみんなで探索しながら進む、この『BxLink』のようなプロジェクトの方が、体験やUIを引き上げやすいんですよね。

まだ世にないプロダクトをつくるための良きパートナー

最後に、どんな会社にソニックガーデンの『納品のない受託開発』がフィットすると思いますか?
狩野の顔狩野
まさに弊社ですが、新規事業を立ち上げて、自分でもゴールが明確に見えてるわけじゃない状態の会社、ですね。試行錯誤を繰り返さないと、何がいいのか分からないというようなものを作るパートナーとしては最適だし、頼りになります。

特に、これから世にないプロダクトを作るのだ、という会社は、逆にこの『納品のない受託開発』じゃないと無理ではないか、とさえ思います。
冨田の顔冨田
相談できるのは大きいですよね。「ここが決まってないのでできません」と突き返されてしまうのはとてもつらいので。理想を具体化する手段を作りながらやりたい、どこまで広がっていくのかまだ決まっていないようなプロダクトを一緒に考えながら作っていきたいような会社には本当に適していると思います。
古里の顔古里
狩野さんや富田さんのおっしゃるとおり、一緒に価値探索をしていきたい企業さんに非常にフィットすると思います。

UXデザイナーの視点から見ると、「エンドユーザーが抱える解決すべき課題は何か?」「本当に必要な体験とは何か?」「どうすれば最適な体験をより早く届けられるか?」を共に考えられる会社さんがフィットすると感じます。これまでにソニックガーデンさんといくつかのプロジェクトをご一緒させていただきましたが、納品のない受託開発の真価が発揮されるのは、まさにこの条件が揃ったときだと実感しています。

狩野の顔狩野
今後ともどうぞよろしくお願いします。


開発責任者の声:ソニックガーデン 野上
お問い合わせの初期段階から熱量の高い想いを聞かせていただきました。『納品のない受託開発』のスタンスや、開発姿勢についても瞬時に理解していただき、最初からテンポのよいやり取りができているなと感じています。

milab様は非常にアクティブでアイデア豊富です。判断も的確で、すばやく柔軟。状況が流動的になっても臆さず、コミュニケーションが取りやすいので開発も議論も、効率的に進めることができています。

これからどのように展開していくのか、我々としてもとてもエキサイティングなプロジェクトです。今後ますます信頼関係を深めて、milab様の見つめる大きな未来に貢献できればと思っています。

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